いや実際のとこ、ほんとにチョトしか描けてないのですが…。

冬の夕方の、柔らかく輪郭を翳ませる光の中で。鹿島静香と―パンドラ。雅から投げかけられた言葉が神話の娘と彼女とを重ね合わせてみせる。
パンドラというのは、神話においては「開けてはいけない筺」を開けてしまったということで、些末な興味から禍を招く愚かしさを象徴するような印象があったりもしたのですよ。少なくとも自分の中では。
だけど調べていて、その名前が「全てを与えられた」であること等知って、「彼女はその自負に基づいて進んでその筺を開いたのではないか」という気がしてきた訳で。
そのイメージはまさに鹿島静香に重なるのでした。彼女は、躊躇うくらいならば、むしろ進んでそれを開いただろう、と。でもってたぶん、「別の誰かに開かせた」だろうと(を。
そんなことを思いながら描いてみた挿絵。